外国の方の相続手続(韓国編)
こんにちは、司法書士の久保田です。
今回は韓国の方の相続手続について書いていこうと思います。
韓国は日本と法制度も似ている部分が多く、非常に近い関係といえます。
余談ですが、韓国では「司法書士」が「法務士」という名称だそうで、確かに、執務にあたり、書類作成だけではなく、多く法律に関するお悩みを頂戴する立場からすると、日本も法務士に準ずる資格名称にすべきだと個人的には思います。
さて、実務上の細かい部分についてはやはり、制度としての違いが存在します。
例)法定相続分、相続分の譲受、録音による遺言が認められている、推定相続人の廃除の制度の不存在等
そのあたりについてお困りの方は是非一度お問合せください。
韓国の方の相続で注意すべき大きな点は次のようなものがあげられます。
1.相続準拠法の変遷
1991年から現在、1979年~1990年まで、1960~1978年まで、1912年~1959年の期間において、それぞれ相続の根拠となる準拠法が違います。相続発生時点の法律に基づき、手続きはなされますので、その時代時代の調査が必要になります。
特に法定相続分はそれぞれで変化していますので、確認が必要となります。
2.戸籍の取寄
一般に、日本の方の相続手続の場合、亡くなられた方の戸籍をさかのぼって収集し、また相続人の現在の戸籍を収集するという作業が必要となります。
韓国においては、2008年より、戸主制度が廃止され、「家族関係の登録等に関する法律」が制定され、個人別家族関係登録制度が新設されました。
相続手続においてはその除籍謄本(戸籍制度があったときの戸籍)等が必要となります。
日本国内において、電算化(コンピュータ化)されている除籍謄本については韓国大使館、総領事館にて取得することができます。
しかし、電算化されていない除籍謄本については韓国でしか取得することができず、法務士に取得を依頼するなど労力が必要となることが想定されます。
さて、遺言について一点だけ、おすすめがあります。
日本にお住まいの韓国の方が遺言を用意される場合、そこに準拠法は日本法による旨を記載すると日本法の適用が可能となります。
最近はテレビや新聞などでも相続・遺言等が頻繁に取り上げられていて、参考にされるとよいと思うのですが、韓国の方の場合、通常ですと韓国の法律が適用されますので、その点で注意が必要です。
最近は語学にはまっていまして、韓国語の勉強をスマートフォンのアプリで始めてみました。
勉強しやすい、簡単だときいていたのですが、実際のところ発音が難しいですね。単語をまずは覚えていきたいとおもいます。
雑談ついでに、韓国がらみでもう一点。
この間、書店にていわゆる「ジャケ買」した文庫本。
ジャケ買の理由は私がオリックス・バファローズのファンでして、その前身である阪急ブレーブスのユニフォームが描かれていたためで、気づいたら買っていました。
韓国というよりは北朝鮮絡みの内容の小説です。
普段相続のお仕事をして戸籍をたどっていると、亡くなった方の歩まれた人生が思い浮かぶのですが、読了後それに似た気持ちを抱きました。
良著だと思います。
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